前に、お金・副業系の発信を7人ぶんまとめた。そのとき「日本ならまず両学長」と書いたんだけど、一行で済ませてしまったのが心残りだった。
なので、今回は一人ぶんを腰を据えて見た。書き起こして読んだ回の中から、効いたところだけを取り出す。
先に結論を言う。いちばん効いたのは、稼ぎ方の話じゃなかった。
土台:お金の5つの力
まずこれが全体図になる。
※固定費をぶっ壊す話は、以前も書いた:【高卒ADHD、クビ2回】年収800万の俺が家庭持ちでも月10万貯める『人生防衛線』固定費ぶっ壊し戦略、全手順
貯める/増やす/稼ぐ/使う/守る。
このうち「稼ぐ」の中に給与所得と事業所得が入っていて、「増やす」の中に配当・利子所得が入っている。5つ揃っていれば家計が健全に回り、欠けるとどこかで詰まる、という構造。
順番も決まっていて、土台は「貯める力」。理由が実務的でよかった。
稼ぐのは今日の明日でできるようにならない。でも支出を抑えるのは今日行動するだけで変わるし、やれば誰でも必ず同じだけの効果が出る。
「誰がやっても同じ結果が出る」というのは、再現性の話をしている。ここは自分の連載(固定費解体)とまったく同じことを言っていて、独立に同じ結論に着いたのが少し嬉しかった。
効いたところ①:「守る力」が独立した柱になっている
7人を見比べたとき、いちばん珍しかったのがこれだった。
稼ぎ方を教える人は無数にいるのに、「持っていかれない方法」を柱に据える人はほとんどいない。
守る力が守る相手は、投資詐欺、ぼったくり商品、税金、インフレ、パスワードの盗難。全部「増やす」の逆側にある話で、地味だから誰も看板にしない。
たとえで言っていたのが分かりやすかった。
サッカーで前半5点取っても、守備がなさすぎて後半に10点取られたら意味がない。
しかも、一度貯まったお金から取られるのがきつい。入るときに一度引かれ、貯まったところからもう一度引かれるからだ。
具体例1:仕組預金は「人質預金」
これは知らなかった。
仕組預金は「預金」と名前がついているが、中身は複雑な金融商品で、解約のタイミングを選ぶ権利が銀行側にある。
- 世の中の金利が上がったら → 銀行は安く借りられている状態なので、解約させない。最長で引っ張る
- 世の中の金利が下がったら → 銀行は高く払っている状態なので、さっさと解約する
つまり後出しじゃんけんで、必ず銀行が勝つ。こちらから途中で解約しようとすると違約金がかかる。
「原則解約できない」と言われるが、相続や差押えなど、やむを得ない事情なら応じるケースがあるらしい。自分の金を取り戻すのに理由を説明させられるというのが、この商品の性格を全部言い表している。
具体例2:資産運用のイベント
大きな資産運用イベントについて、はっきり「初心者は行くな」と言っていた。
理由が構造の話でよかった。出展業者は高い出展料を払っている。それを回収するには、来た人から利益を吸い上げるしかない。
そこで売っているのは、皆さんがお金持ちになるための商品じゃなくて、業者がお金持ちになるための商品。
これは会場の話に見えて、実は「無料で人を集めている場所」全部に効く見方だと思う。誰がコストを払っていて、それをどこで回収するのか。それを見れば、中身を知らなくても性格が分かる。
ついでに、「冷やかしで営業マンをやり込めに行く」のもやめとけ、と言っていた。ミイラ取りがミイラになるし、時間の無駄だし、相手にも失礼だから。この一言に人柄が出ていると思った。
具体例3:リボ払い
手数料は年15%前後。
見方を反転させたのがうまかった。15%を払っているということは、15%で運用している人がどこかにいるということ。世界一の投資家の利回りが年22%前後だと考えると、それに迫る数字を、こちらが支払う側で叩き出している。
だから、投資を始める前にリボとカードローンを返す。それ自体が15%の投資と同じになる。
効いたところ②:サラリーマンは、成果と報酬が結びつかない働き方
「頑張っても報われない」という相談への答えが、想像と逆だった。
慰めるでも、会社を批判するでもなく、「頑張ったら報われるのは当たり前ではない」という前提の話から入っていた。
成果が出なくても給料がもらえる代わりに、成果が出ても報酬が増えない。これはむしろ当たり前なんじゃないか。
これは冷たく聞こえるけど、実際は逆で、構造を正しく見ないと対策が一生打てないという話をしている。会社を恨んでも構造は変わらないから。
そのうえで、それでも報われたいときの手が5つ挙がっていた。優先順位をつけて一面だけでも取りにいく/転職する/SNSで発信する/副業を始める/投資を始める。
副業のところで、税の話が具体的だった。会社員が事業所得として稼いだぶんには社会保険料がかからない。給与所得は稼ぐほど負担が増えていくのに、こちらは違う。同じ額を増やすのでも、入り口が違うと手元に残る量が変わる。
効いたところ③:いつでもやめられる力が、わが身を守る
リストラの回がいちばん実務的だった。
候補になりやすい人の特徴が5つ挙がっていて、年齢が高い/上司と仲が悪い/出世が遅れている/昔の話をしたがる/おとなしいと思われている。
最後の「おとなしいと思われている」が生々しかった。リストラは実行する側にとっても負担が大きいので、騒がなさそうな人から選ばれる、という話だった。実際に選ぶ側を経験した知人の言葉として、こう引いていた。
仕事の出来が同じくらいなら、嫌いなやつを選ぶ。最後は好みだよ。
そして準備が7つ。解雇規制を知る/業績評価を見直す/職務経歴書を書く/それを人に見てもらう/SNSで発信する/生活費を下げておく/心の準備をしておく。
この中で「生活費を下げておく」が最強のリストラ対策かもしれない、と言っていた。理由は単純で、生活費が安いほど、選べる転職先が増えるから。
固定費の話が、最後に「選択肢の話」に着地する。ここが一番きれいだった。連載でも同じことを書いたけれど、削って手に入るのは余った金ではなく、選択肢だ。
この人をどう読むか
最後に、読み方の話をひとつ。
前の記事で「その人が”やらなくていい”と言った回を探せ」と書いた。自分の商売から遠ざかることを言える人だけ信用していい、という基準だ。
この人の場合、それがはっきりある。
イベントに行くな。仕組預金に手を出すな。冷やかしに行くな。
どれも、言っても本人が得をしない。むしろ「守る力」という柱そのものが、買わせない情報でできている。
もちろん動画の最後には自分のコミュニティの案内が入る。無料で出し続ける以上、どこかで回収が要るのは当たり前の構造だ。ただ、その手前で「やめとけ」を大量に言っている。読む側としては、そこを見ればいい。
持ち帰った1行
稼げるようになる前に、持っていかれない状態を作る。
順番はこっちだ。増やす話は、その後でいい。
※【成功例解体】は全10本で完結しました。9人ぶんをまとめて、残った見分け方は1つだけでした:発信者を9人まとめて解体して、見分け方は1つしか残らなかった
