【成功例解体】の6人目。今回はバンクアカデミー。
お金の基礎をひたすら解説している人で、自分の運用の実績を毎回そのまま出している。50本ぶんを索引にして上から読んだ。
結論から言うと、この人でいちばん学べたのは、増えた回じゃなかった。「今は買っていません」と言っている回だった。
※これは投資のすすめではありません。発信の構造を見た記録です。
何をやっている人か(事実だけ)
新NISA、投資信託、保険、固定費といったお金まわりのテーマを、図解と数字で解説している。特徴は、自分が実際にいくら入れて、いまどうなっているかを毎回そのまま出すこと。増えた回も、減っている回も同じ形式で出す。
「解説する人」ではなく「やっている人が解説する」形になっている。ここが強い。
構造に分解する
① 損している状態を、隠さずに同じ形式で出す
いちばん効いていたのがこれだった。
この人が積み立てているある商品は、記事にした回の時点で元本割れしていた。含み損の状態。それを、増えた回とまったく同じ体裁で出している。
勝った回だけ出す人と、両方出す人がいる。 これは見分けるのに専門知識がいらない。過去の投稿を並べて、負けている回があるかを見るだけでいい。
前にサラタメさんの記事で書いた基準と、まったく同じものだった。
② 「今は買っていない」と言う
これがこの回の本体だった。
相場が下がって「今が買い時か」という質問が増えているタイミングで、この人が出した結論は「自分はまだ買っていない」だった。積み立ては続けているが、まとまった買い足しはしていない、と。
注目が集まっているときに「まだやらない」と言うのは、発信としては損だ。 動きがある方が数字は伸びる。それでも言っている。
だから俺は、こう見ている。
「今は動かない」と言った回があるかどうか。 これが無い発信は、常に何かを買わせる方向にしか振れていないということで、それは発信者の意見ではなく構造の都合で決まっている可能性がある。
③ 先にルールを決めて、その通りにやる
この人が何度も言っていて、いちばん実務的だったのがこれ。
何%下がったらどれだけ買う、というマイルールを事前に決めて徹底しましょう。
下がってから考えない。下がる前に、どこで動くかを決めておく。 そして決めた通りに動く。
これは投資の話に見えて、そうじゃない。判断を、感情が動いていない時間にずらしているという話だ。
固定費の連載でずっと書いてきたことと同じ形をしていた。解約する・断る・やめるの判断は、その場でやると必ず負ける。 先に線を引いておくと、その場では実行するだけになる。
前提条件(真似できない部分)
「下がったら段階的に買い足す」が成り立つのは、待機している資金がある場合だけ。
この人の戦略は、下落の局面ごとに何回かに分けて買い足していく形になっている。ということは、その回数ぶんの手元資金を、使わずに置いておけることが前提になる。
ここが抜けたまま形だけ真似すると、最初の一回で手元が空になって、そのあとの局面で何もできなくなる。しかも、そういう時ほど「ここが底かもしれない」と思う。手が出せない状態で、それを見続けることになる。
これは能力の差ではなく、置ける余力があるかどうかの差でしかない。だから真似する前に見るべきなのは手法ではなく、自分の手元のほうだった。
見ておいたほうがいい構造
これは批判ではなく、見る側が知っておくと得をする話。
※固定費の判断を感情に左右されない仕組みは、ここで書いた:【高卒ADHD、クビ2回】年収800万の俺が家庭持ちでも月10万貯める『人生防衛線』固定費ぶっ壊し戦略、全手順
※サラタメさんの記事で、この基準について書いた:サラタメさんが「撤退します」と言った回が、いちばん勉強になった
この手の解説動画には、冒頭に金融サービスの紹介が入っていることがある。今回読んだ回にも入っていた。
これ自体は普通のことで、悪いことでもない。制作にはコストがかかるし、それがあるから継続して出せる。前にマコなり社長の記事でも同じ結論になった。高いものを売っている、案件が入っている、それだけで怪しいとは言えない。
ただし、知らずに見るのと、知って見るのとでは、受け取り方が変わる。
だから物差しは1つでいい。紹介が入っている場所と、本人の判断が書かれている場所を、分けて読む。 今回の回で言えば、紹介は冒頭に固まっていて、本人の判断は「まだ買っていない」だった。分けて読むと、判断のほうは紹介に引っぱられていなかったことが分かる。
疑うというのは、そういう作業のことだと思っている。
俺が持ち帰ったもの
「やらない」と言えるかどうかが、いちばん安い信用チェックだった。
専門知識はいらない。数字も追わなくていい。過去の投稿をさかのぼって、「今はやらない」「これは買わなくていい」と書いてある回を探すだけでいい。1本も無ければ、その発信は常に何かをすすめる方向にしか振れていない。
もうひとつ持ち帰ったのは、先にルールを決めておくという一点。
俺の場合、これは投資の話じゃない。解約と、断ることに使う。 契約を切るかどうかを、電話をかけた瞬間に考えるから毎回負ける。「これに当てはまったら切る」を先に紙に書いておけば、その場ではただ実行するだけになる。
判断を、感情の外に置いておく。この人が毎回やっているのは、それだった。
次回
【成功例解体】は続きます。全部見たうえで書ける人からやります。
※【成功例解体】は全10本で完結しました。9人ぶんをまとめて、残った見分け方は1つだけでした:発信者を9人まとめて解体して、見分け方は1つしか残らなかった
